こちら南房総は満開の菜の花の横で梅がほころびはじめてきました。霜が降りるほど寒い朝を迎えても、お昼過ぎには上着がいらないくらい暖かい時間がゆるやかに過ぎています。

先日、風の図書室に本を寄贈してくださった広島に住む方からお手紙をいただきました。その中で心に残った言葉。

「私たちには生老病死いろいろな時がありますが、そうなってみないと見えない風景があります」

どんなに自分を内省しようと、また相手の身になって物事を考えてみようと心を寄せてみても、やはり「そうなってみないと見えない風景」というのは、絶対的にあるのだなと綺麗ごとではなく思います。

いまは見えない未来、あるかどうかも分からない先、そんな未知が私たちにはたくさんある。世界は私が想像するより遥か遠く、四方八方に深くその扉を時に開けるのでしょう。

いつか訪れるかもしれない「いろいろな時」に、私が何を感じどう動くのか。

願わくば、それが自分自身に背かないものでありたいと思います。