風の図書室の看板ができました。

まだ実際の拠点のない風の図書室ですが、「私はここですよ」と宣言する意味でも、看板ができたことでまた一歩、形あるものに近づけた気がします。しばらくはこの看板と本を持って、房総をふらふらしようかと計画中。

看板というと、石垣りんの「表札」という詩が思い起こされます。久しぶりに手に取ってみたら、本当にその通りだと納得。よかったら読んでみてください。

「表札」

自分の住むところには
自分で表札を出すにかぎる。
自分の寝泊りする場所に
他人がかけてくれる表札は
いつもろくなことはない。
病院へ入院したら
病室の名札には石垣りん様と
様が付いた。
旅館に泊まっても
部屋の外に名前は出ないが
やがて焼き場の窯にはいると
とじた扉の上に
石垣りん殿と札が下がるだろう
そのとき私がこばめるか
様も
殿も
付いてはいけない、
自分の住む所には
自分の手で表札をかけるに限る。
精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない
石垣りん
それでよい。