普段からあまり音楽を聴くほうではないうえに音痴も重なり、カラオケに誘われることと、「好きな音楽って何?」という質問がとても怖いまま、克服もせずに年を重ねています。

そんな私でもたまにYoutubeでランダムに昔の歌を聞いたりするのですが、最近、不思議な感情の流れを発見しました。

それは、歌詞に「星」が出てくると泣きたい気持ちになるという現象です。たとえばがピンポイント過ぎるのですが、MISIAの「アイノカタチ」やプリンセスプリンセスの「M」。ほんの一か所だけですが「星」が出てきます。

そもそもどちらも泣ける曲としてメジャー過ぎるほど有名ですが、全体を通してではなく、「星」のところだけなぜかグッときてしまう。こういうことって他の人もよくあることなのでしょうか?

以前、アメリカの人は「Home」という言葉に「House」にはない、温かい想いを抱いていると何かで読みました。それは日本語で言うところの、故郷に対する郷愁のようなものらしいです。それならもちろん、私たちにもいくつか思い当たるものがありそうです。

ただここで言っているのは万人に共通するものであり、私の「星」はあくまでも個人的なものだと思うのです。そういうものってみんなあるものなのですか? 二回聞いてしまうほど、とても気になっています(笑)。

話は戻って、ではなぜ私が星にそんなに過剰反応してしまうのかといったら、やはり「好きだから」がもっともシンプルな答えだと思います。といってもまったく詳しくはありませんし、星グッズも一つも持っていません。強いて言うなら、ガンダムが好きなくらい。

好みなのは、その存在の仕方なのだと思います。自分が生まれるずっと前から変わらずにあって、私がいなくなってからもずっとあり続けるだろうという、その不動感。そのくせ、毎日毎日、決められたように同じ動きをして、見えていない時もそれはこちらから見えていないだけでやっぱり同じように動いているという絶対感。

人間なんかがたどり着けるはずのない境地を見せつけられているようでたまらなくなります。

それが、感情を揺さぶられる「The 人間」系の曲と合わさると、その正反対さにやられてしまうのではないかとここまで分析してみました。当たっているかな?

話は反れますが、子供の頃に「今見ている星の輝きは7年前にその星から生まれたものなんだよ」と教えられたことがあります。その時はじめて「光年」という言葉を知り、光の速さで走っても7年かかる、「途方もない」という概念を植え付けられました。まるで悪いことかのよう(笑)。

それ以降、私の中ではどの星もすべて7年前のものなのです。実際にはもちろん星によって違うのですが、その時の印象が強すぎて正確な知識をアップデートできません。だから夜空に広がっているのはすべて均一な過去。

あっ!これも切ない系の曲と相性のいい原因なのでしょうか? もう少し研究の余地がありそうですね。

今夜は星が見えません。7年前の光を受け取ることはできないですが、そんなことはお構いなしに私のいる場所を通り越して、さらに宇宙の奥へ奥へと走り続けていくのでしょう。毎晩、途方もないことが繰り返されています。