つらい時、心置きなく一人になれる場所をいくつもっているでしょうか。

20代のある時期、とてもつらいことがありました。平日は仕事があるからいいけれど、週末、時間をやり過ごす術がない。

自分の部屋で本を読んだりテレビを見たり、とにかく寝たり、それだけでは到底この痛む心を抱えていられない。そんな時、外に出て少しでも早く時間が流れてくれるように右往左往していたものです。

といっても当時、東京に住んでいた私が行ける場所はわずかしかなくて、何も考えなくていいように映画館で2本続けて映画を見たり(家での鑑賞ではだめ)、昼からあまり人のいないバーに飲みに行ったり(お茶ではだめ)、土手を歩き続けていたりしました。

ただこれがベストではない。何も言わず放っておいてくれる友達の家があったらなぁとか、口の聞けないおばあさんの内職を手伝うような出会いがないかなぁなど、夢見ていたものです。一人にはなりたいけど、一人ではいたくなかったのですね。

人の目を気にせず自分の想いに浸れ、といってもあくまでも「外」なので内にこもりすぎて悲しみが助長されることのない場所。そんな「行ける場所」があったらうれしかったのに。

世の中にはいろんな場所があるのに、その時の自分が行きたいと思える場所を見つけるのは難しいものですね。奇跡に近いとも言える。

結局は自分の心の問題なので、外である場所に解決策を求めるのは難しいのかもしれませんが、風の図書室が誰かの「行ける場所」になれたらいいと思います。

そんなことを考えながら、今日は雨の中、近所の空き家探索に出かけました。まずは図書室の拠点となる場所が見つかってくれないと、行こうにも行けません(笑)。奇跡の出会いがどこかに落ちてないでしょうか。