「あなたの想いを保存する場所」として、2年前につくった風の図書室。当時の私は、この図書室をこの世界に存在させることに情熱を傾けていました。

なぜ?

生きている人の想いが、死と共になくなってしまうこと、忘れ去られてしまうことが悲しかったから。いつまでも、私だけでも覚えていられたら。

そしてきっと、私と同じ想いを持っている人もいるはずだと心底考えていたのです。

運よく、風の図書室の活動は少しずつ認知され、本も集まり、図書室として最高の場所も得ました。

なぜか古本屋「風六堂」としての活動もはじまり、日々、さまざまな人と出会う毎日。新しい人生がスタートしたのです。

そして今、私は風の図書室をそれほど必要としていない自分を認めざるを得ません。

風の図書室に関わってくれた人には誤解されてしまうような言い方を承知で、私はもう、あなたの想いを本を通してここに置き続けることに必要性を感じていない。

なぜなら、あなたの想いは「その時」でもって永遠であるし、あなたが忘れようとも、私が忘れようとも、そこに存在していたことは絶対だと心から思えるようになったから。

これまで約100人、本を寄贈してくれました。100人の人が私と関わってくれた上での変化です。私はみなさまのおかげで次のスタートラインに立てることができました。

といっても、風の図書室をなくすわけではありません。

何がしたいのかというと、最近、更新が疎かになっていたこのホームページをもっと動かしたくなったのです。

そのためには、これまでの風の図書室のコンセプトでは情熱が湧かず、どうしたものかということで、別に言わなくてもいいこんなことをあえて表明し、自分を動かそうとしているのです。

風の図書室として、あなたの特別な一冊はこれからも受け付けています。

特別な一冊にメッセージを書き、風の図書室に保存するという行為、そしてそれを見ず知らずの誰かが見るという不思議な縁が成すこと、必要としている人はまだまだいるはずだから。

その上で、一緒に次のステージ、やり方、考え方を試してみませんか。

それがいったい何なのかはまだ上手く言葉にすることはできていませんが、これまでよりはもっと軽く自由で、あなたらしいものでありたいと思っています。

「風の図書室」、そして古本屋「風六堂」は、新しい時代の感性を持った場所で在りたいと思います。

また、本は私にとってやりやすい一つの媒体というだけで、これが絶対ではありません。

愛とユーモアだけが集う世界を創造するため、仮の姿として本屋をやっていこうとしているのです。